詩的平行四辺形
高橋士郎

高橋士郎の立体機構シリーズ Engrish

 

詩的平行四辺形の原理
四節機構のアイデア展開

1969  国際サイテックアート展 銀座ソニービル
1969  現代美術の動向展 国立現代美術館
1970  大阪万国博覧会三井館 大阪万国博覧会
1972  個展「メタコ72展」 銀座ソニービル
1976  新宿副都心 新宿住友ビル
1979  習作模型展 青山CozySpace

1) すべての回転軸が 平行である機構

産業革命以降、力仕事のための実用機械の多くは、工作機械での製造が容易であることを優先して設計するために、すべての軸が平行であるように設計されている。

展開a. 軸の位置を任意に軸方向に位相移動し連続して、有機的な動きを得る。
作品#1:揺れる四つの立方体 [TouTube]
作品#3;歪む立方体
作品#9:変形する文字

展開b. 平行軸機構二組を交差結合させるて、二組の軌跡が合成されて複雑な動きを得る。
作品#2:波うつ格子
作品#8:傾げる十字


2) すべての回転軸が一点に収束する機構

平行軸機構を、非ユークリッド的な球面上に変形しても動作は可能である。この場合の軸の延長は、すべて一点に収束する。収束軸機構は、現代の数値制御加工機で量産が可能となり、実用化されている。

展開a.
作品#4:揺れる三角塔

展開b. 平行軸機構と収束軸機構を組み合わせる。
作品#5:揺れる衣紋掛け


3) すべての回転軸が一様に捻れている機構

平行軸機構の軸を一様に捻ると、エシャーの絵に描かれた不可解な立方体が実現する。捻れ軸機構は、コンピュータ・シュミレーションで設計可能となり、未知の仮想機械を予想する。

展開a.
作品#6:絡まる立方体

展開b.
作品#7:踊る曲線

 


 


→機構の美術

 

機械全般を三種類に分類して、美的展開を行う。
1) 平行軸機構:力仕事のための産業機械
2) 収束軸機構:数値制御で製造可能な観念機械
3) 捻れ軸機構;仮想空間で実現される仮想機械

 


●機械仕掛の神
研究紀要1867

高橋士郎の立体機構シリーズは、揺れ動く空間をオブジェ化した作品です。動く空間を豊かに表現演出する機械として創作されました。
自然界の動きは、実に多くの表情を持っていて、人々の心を共鳴させます。風に吹かれる梢は、微妙な動きで空気の流れを視覚化しますし、水面の波紋は、地球引力の戯れを表します。
現代の交通機関は、旅行の時間と距離感覚を変化自在の柔軟なものにしてしまいました。およそすべての価値も、社会と共に変化し、一定のものではありません。時間の単位も、空間の座標も揺れ動いているように思われます。
われわれはおそらく、同じ場所に止まっているために必死で走らねばならず、どこか別のところに行きたいときには、二乗倍の力で走らなければならないという「不思議の国のアリス」さながらの揺れ動く空間に生活しているのでしよう。